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基本的な統計学と疫学的手法,それらの文献等,R等の統計ソフトの使い方をブログ記事やYoutubeを用いて解説します.

その研究で何が知りたいのか? Estimandの話。

ある処置(介入や曝露)がアウトカムに影響あるか知りたいときは因果推論をしますよね。解析方法として、「多変量解析よりも傾向スコア使う方が良いんでしょ?」とよく耳にしますが、そうではありません。

例えば、よく傾向スコアマッチングで交絡を制御した研究がありますが、研究者が知りたいであろう効果を見ていないことは多いです。

次の2つの動画と資料では、下記事項について説明します。

  • 効果を明確に定義
  • 効果を推定するためには、バイアスを減らすのが大事
  • バイアスを減らすためには大きく2つの手段がある
  • 解析方法はいろいろあるけど、どの方法でも効果は推定できる
  • 効果の種類(Estimand:えすてぃまんど)が違う
  • Estimandと解析手法の対応
  • 効果修飾

キーメッセージは、 知りたい効果(Estimand)を決めて、解析手法を選ぼう!!です。

今回の動画と資料では、取り上げる解析手法の具体的な方法は説明していません。

前半(効果の定義とEstimandの前振り)

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後半(Estimandと解析手法)

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おまけ

正規分布に従わないデータの群間比較にはよくWilcoxonの順位和検定が使われていますが、何を知りたいのかいまいちはっきりしません。 次の動画と資料で、何に答える一つの方法である対数変換について説明しました。 経済の分野ではオーソドックスな考え方ですが、医学の分野ではなぜかあまり知られていない内容です*1

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*1:恥ずかしながら私も『効果検証入門』で知りました。